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リレーコラム 草食投資隊、コツコツ前進中!

第15回世界で活躍する日本企業の成長を、長期投資で自分のポケットへ (コモンズ投信 渋澤健)

 10月中旬に、草食投資隊として初めて盛岡県の二戸と青森を訪れました。連休にも関わらず大勢の方々が私たちのセミナーにご来場くださって、とても有り難かったです。以前から各3社のことをご存知だった方々も、今回で草食投資隊のことを初めて知った方々もいらっしゃいましたが、主催者と共々に我々を温かく迎えていただき、感謝の気持ちでいっぱいです。
 
 地域が異なっても、草食投資隊のセミナーにご参加くださる方々には共通点があります。新しい知識や出会いを求める、向上心が豊富で未来志向な方々という点です。ただ、一般的に地域社会では投資のことを「投」げる「資」金と思っている固定概念が少なくありません。自分の銀行預金から、東京など自分の生活圏から遠いところへ、(お金が)手元から離れてしまうという感覚に陥ってしまうのです。
 
 しかし、投資のことを英語では“Invest”と言います。“Vest”とはチョッキのことです。つまり、「投資」の本源的な意味とは「身に着ける」ことなのです。世の中の成長を取り込めるチケットをポケットに入れて“in”することが、本来の投資のイメージです。これは、豊かな日常の生活に恵まれていながらも、マインドセットが閉鎖的になりがちな地域社会では特に注目していただきたい大切な意識です。
 
 日本企業といっても、事業が国内だけに留まることありません。特に、コモンズ投信が長期投資する最良な日本企業では、海外売上が6~8割程度のものが少なくありません。このような会社は、私たちが暮らす地域圏から遠い場所の経済成長の恩恵を受けて事業活動を展開しているわけです。
 
 ということは、その企業の株式を保有するのは、その経済活動から生じる収益が配当や株価の上昇として、私たちの手元へ還元されているということになります。
 
 特に長期的な視野で見た場合、持続的な価値創造を期待できる企業に投資するということは、自分が暮らす圏外からの成長を取り込む意義ある行動なのです。
 
 さて、では、「お金」について、ちょっと考えてみましょう。1兆円という高金額を聞くと、実感がわく人は少ないと思います。ゼロが6桁ぐらい(100万円単位)であれば想像できる範囲ですが、1兆円だと12桁になりますから、目が点々!となりますね。
 
 では、その1兆円分を1万円札で重ねたら、どのくらいの高さになるでしょうか。1万円札が10万円に重なった札束なら見たことがあるかもしれません……1mmぐらいです。ということは、100万円が1cm、1000万円が10cm、1億円が1m、このように計算していくと、1兆円を1万円札で重ねると高さが10kmになります。富士山を遥かに超えて、エベレスト山より高くなります。すごいですね。
 
 ただ、これは“たかが”1兆円の場合です。日本銀行の資金循環統計によると、今年の6月末の時点で、日本の家計は総額873兆円ぐらいの現預金を保有していました。1万円札を873兆円分重ねると8730km、横に倒すとシリアまで届きます。
 
 この金額は、人口が2倍で、GDPが3倍のアメリカの家計が保有する現預金(8.8兆ドル)とほぼ同じです。ところが、金融資産全体を比べた場合、アメリカの家計の総額は67兆ドルなので、日本の1645兆円の約4倍です。彼らは金融資産全体のうち、現預金は13%しか保有していないのです。一方、日本の家計の場合は、金融資産の53.1%を現預金で抱えています。この違いはどこから生じるのでしょうか。
 
 米国は未開地を先祖が開拓したことを自負している、リスク許容度が高い民族のるつぼという特殊な「ニュー・ワールド」の国です。そういう意味では、日本のように長い歴史を誇る「オールド・ワールド」と比べることが適切ではない側面もあるでしょう。では、日本と同じく「オールド・ワールド」であるユーロ圏と比較してみましょう。
 
 ユーロ圏の家計は金融資産のうち、現預金は34.5%です(2014年3月末時点)。全体のおよそ3分の1であり、年金・保険準備金という守りの特性の資金と、投資信託・株式・債券という収益性の特性の資金と比べてバランス感覚が良い比率です。
 
 もし、日本の家計の現預金比率がユーロ圏並みになったと想像すると、(53.1%→34.5%=18.6%×1645兆円)およそ306兆円の資金が現預金から他へと流れることになります。その行先はどこになるのか。
 
 日本人は保険が大好きな民族だと思いますが、実は、金融資産における保険・年金準備金の比率は欧米より低いのです(日本26.8%、米国32.3%、ユーロ圏31.6%)。したがって、安定した老後の生活という未来のための年金積立へと、80兆円(日本と欧米の5%の差分)が動いても不思議ではありません。
 
 また、投資信託と株式出資金を合わせた場合、日本の金融資産における比率は14.1%ですが、ユーロ圏は25.0%です。つまり、およそ11%の金融資産が現預金から投資信託と株式出資金へと振り替えられることになります。なんと180兆円ぐらいの莫大な資金フローです。
 
 現在、日本の公的年金であるGPIFが株式運用の比率の見直しを行い、3兆円ぐらいの資金が株式市場へ流れるということで、市場関係者や投資家の期待が高まっています。でも、実は、“たかが”3兆円です。日本の家計の金融資産の構造改革が始まって、日本の年金と投資信託・株式出資金がユーロ圏と同水準の比率になれば、260兆円(80兆円+180兆円)の資金、一世代の30年間かけても、毎年8兆円以上が成長資金として資本市場へと流れるポテンシャル(潜在力)を持っているということです。
 
 そういう意味では、投資信託の未来は明らかです。本来は個人の長期投資を支えるべき投資信託は、日本では成長産業なのです。その成長の可能性に応えるために、現在は微力な存在でありますが、草食投資隊は「本格的な」長期投資を日本人にお届けするため、その輪を広げるために、活動を続けています。
 

コモンズ投信 渋澤健


 
「運用のプロが教える草食系投資」
渋澤健(著) 中野晴啓(著) 藤野英人(著)
価格: ¥1,620
出版社: 日本経済新聞出版社 (2010/4/24)
単行本(ソフトカバー): 200ページ
 


「30歳からはじめる お金の育て方入門-貯めながら殖やす新しい習慣-」
渋澤健(著) 中野晴啓(著) 藤野英人(著)
価格 : ¥1,512
出版社: 同文館出版 (2013/2/13)
単行本(ソフトカバー): 224ページ


 

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