第5回パッシブ教とアクティブ教②
娘:「じゃ、やっぱりアタシはパッシブ派でインデックス・ファンドにしよーッと。」
父:「ちょい待ち!」
娘:「インデックス・ファンドじゃ、ダメなの?」
父:「もしも、すべての投資家がインデックス・ファンドに投資したら、どうなると思う?」
娘:「あれこれ考えなくてすむわね。」
父:「そこが問題だ。おまえがあれこれ考えても“下手な考え、休むに似たり”だから、
世の中にとって害はないだろうね。だが、プロのファンド・マネジャーたちがみんなパッシブ派に宗旨替えして
インデックス・ファンドで運用したら、どうなると思う?」
娘:「みんな、無駄な努力をしなくなるから、いいんじゃない?」
父:「ブ~ッ!間違い!」
娘:「どこが間違いよ?」
父:「そうなると、まじめに株式の価値を考えている奴が世の中に一人もいなくなる。
アクティブ派の人たちが“この株式の本当の価値はいくらか?”といつも考えて、
現在の株価がそれより安かったら買い、高かったら売りという判断をして売買しているから、
市場では“適正株価”がつくわけだ。もし、そうでなかったら…」
娘:「そうでなかったら…?」
父:「正しい株価がつかなくなる。インデックス・ファンドは‘市場で正しい株価がついているはずだ’という
前提でやっているのに、その前提が壊れてしまうのだ。
アクティブ・マネジャーたちが正しい株価を形成してくれているから、
パッシブ教の信者はそれに便乗できるわけ。こうして大勢の人々が便乗できるから“大乗仏教”なの。」
娘:「それって、こじつけ!? でも、あれこれ考えずにインデックスでいいんでっくす?」
父:「おまえ、若いくせにオヤジみたいなギャク飛ばすんじゃないよ!」
娘:「つい、パパのクセがアタシにも伝染ってェ…。やっぱ遺伝かなー?」
父:「どうせ遺伝するなら、もっとマシな才能とかが遺伝するといんだけど…」
娘:「つまり、パッシブ派もアクティブ派もどちらもいないといけないわけなのね。」
父:「まあ、簡単に言うとそういうことだね。
アクティブ派がいるから株価にはいつも適正価格がつくような作用が働くわけで、
そうやって形成された“正しい株価”にパッシブ派は便乗できるんだ。」
娘:「それって、なんかズルくない?」
父:「だから、パッシブ派のインデックス・ファンドは運用報酬が低くてすむわけ。
これに対してアクティブ運用では大勢の株式アナリストが銘柄を調査し、それをもとにファンド・マネジャーが
判断し、トレーダーが発注する…という具合に手間と時間がかかる。
だから運用報酬も多くもらわなければやっていけないわけ。」
娘:「へー、そんなに大変なんだ・・・。」
(続く)